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2013年 5月18日(土) 快晴  気温15〜28度 水温13度

今年は季節の移ろいは、ここ2〜3年と比べてゆっくりと進んでいるみたいだったが
ここに来て遂に最高気温が30度を超え やっぱり暑く成って来た

暑く成ったら岩魚ちゃんでしょ〜っとばかりに いそいそと木曽に向かう、しかもやる気が高まって朝早く目が覚めたんで
ビュっと出発ビュっと中津川 そいでもって19号線を北上し今日こそはタクシーが居ません様に願いながら林道を遡って行く
”やった〜居ないぞ!”
期待を胸にしつつも まだ時間が早いのでゆっくり慌てずソックスウエーダーに変身したら藪漕ぎも慎重に流れに降りた

新緑の木々に初夏の様な日差しが燦々と降り注ぐ気持ちの良い河畔に一旦腰かけ
ロッドを継いで少し大きめのヘアカディス#15を結んだら 深呼吸をして立ち上がり 清冽な流れにキャストを開始
数カ所目のポイントで最初の反応、また少し行くとチビッ子反応が有って 今日は良い感じに渓魚が遊んでくれそうな雰囲気
だったがその後は全く反応せず時間だけが過ぎて行った
やっぱりタクシープレッシャーなのか、結構新しい足跡は実は今朝誰かが通った後なのか 本当に反応が無いまま3時間近くが過ぎた
流石に集中力が切れてきてフライが岸辺の枝に引っかかった、山椒の枝だった
何か転機を探していたかのように山椒の香りを嗅いだら良い香り!からまった枝手折って口に含んでみたら爽やかな辛さが口の中に広がった

さ〜何とか一匹だけでも釣りたいな〜と再び流れに向かうと、リフレッシュ効果が表れ
可愛らしいタナビラちゃんが遂に反応!
フライも色々交換し 今はアピール力より食べやすさ重視のソラックスダン#17だったので上手くヒット
この大切な1匹を逃がして成るかと ごぼう抜きして空中キャッチしようとしたが針が外れて浅瀬に落ちた
が必死でターゲットを掬い上げ何とかボウズを回避出来た! ふ〜よかった〜



      新緑と清冽           山椒のおかげで出逢えた1匹

もうこれで帰ろうかとも思うほど長い時間の苦行だったが いやいや此処まで来たんだからもうひと頑張りして3連の滝まで頑張ろうと歩きだす
相変わらず反応の無いまま残りあと少し
得てして最終ポイントは厳しく一つ手前のポイントがラストチャンスの場合が良く有るので慎重に進んで行くがやっぱフライだけが流れる
さてさて本当にラスト、ポイント的には大きな釜
先ずは流れ出しに1投 うわ〜出た〜けど乗らなかった〜
次は流芯 ・ ・ ・ 沈黙
次は左岸の浅い弛み ・ ・ ・ 沈黙
やっぱり最初の1匹を外したのが致命傷だったかと思いながら 最後の望みを左岸巻き返しの岩縁に託しフライにドレッシング、そしてキャスト
1投目・・・2投目・・・3投目・・!何か小さな波紋と共にフライが無く成ったのでグイッとロッドを立てるとゴクゴクっと竿先が引き込まれた
岩魚だ!そう思ってラインを手繰りつつ流れに数歩進むと 異変に気付いたターゲットの必死の抵抗がロッドを弓なりに曲げる
期待大! いや間違いなく良型の岩魚と確信し慎重なやり取りはここまで頑張った御褒美の証
数十秒後水面に浮かんだシルエットはひょっとして尺! 最後は少々強引に引き寄せネットで掬うと流石に観念した岩魚ちゃんは大人しくなった
感動のフィナーレ!尺には10mm足りなかったが釣れない釣れない釣れないからの幸運は普段の何倍も嬉しく感じた



美しい3連の滝                   待ちに待った岩魚ちゃん      脇には生まれたばかりの岩魚ちゃん

川通しで下り mocoに戻った時は完全にヘロヘロだったが
先ずは次なるポイントに移動、そしてクーラーボックスの中のビールを喉に流し込み先程の感動を噛みしめつつ幸福ランチ
そして小一時間ほど夢の中を彷徨った後 ワンポイントと決めていた堰堤に、50m程下流から徐々に釣りあがって行く
直ぐには反応は無かったが浅瀬を歩いていくと足元から良型の岩魚が逃げて行った
”居るんだね〜!”
そう思いながら堰堤直下 先ずはメインの流れの流芯から流れ出しをトレースするようヘアカディス#15を浮かべてみたら
20cm程の影が寄って来たかと思ったら更に大きな影も現れ 僕の願いは勿論大きい方だったが食ったのは20cmの方
それでも朝の苦悩の釣りに比べ大らかに一発で釣れたタナビラちゃんに感謝
でそいつをリリースした後にもしかしてまだ居るかな〜と覗き込んだら 居た居た大きい方のタナビラがまだ居てました
慎重にフライを送り込んだ1投目で フライの真下まで寄って来たターゲットだったが食わなかった逃げても行かなかったので
何度かやって見たが 流石に怪しまれ逃げられてしまった

さ〜てもう居ないかな〜と流れを見ると 居ましたよ〜茶色いカラーのこ奴は岩魚ちゃんに間違いない
イージーかと思われたサイトフィッシングの岩魚ちゃんだったが 出不精な奴で
レーンが少し違うだけで見向きもしない、数投目で上手くレーンに乗ったヘアカディスにゆっくり反応し口を使った筈だったが
いや〜ん 乗ってないじゃん・・・
それでもう駄目かと思ったが 出不精な奴はそこを動かずまだユラユラしていたのでフライにドレッシングを施しチャレンジ
大らかな岩魚ちゃんは数分前と同じようにゆっくり浮上し小さな波紋を起こした
僕はさっきより一呼吸置いた感じでフッキング動作を開始しロッドを煽ると 今度は乗った!
呑気そうに見えた岩魚ちゃんだったが やっぱり野生の力は目を見張る程強くロッドを絞り込んで行く
が今日の僕は落ち着いて その抵抗を吸収し数十秒後にはネットにキャッチし幸福に浸った



揺れる影を手中にキャッチ

出来過ぎの午後のピンスポットにニヤニヤしながら 次なる流れに向かう
連休直前に鬼胡桃を植えたポイントを最後と決め向かうと 先行車が2台有ったのでちょっと悩んでいたら
一人のフライマンが戻って来たので 情報収集に話かけたらフレンドリーに話が弾んだのと
僕の行こうと思って居たポイントは入っていないと言うので 一緒に行く事になった

釣り歴は長いがフライ歴1年の名古屋のHGさんは気さくな感じで 川に降りるとタックルを組むのでお先にと僕を先行させてくれたので
数分行った所でチビッ子岩魚ちゃんをヒットさせる事が出来たので、ネットに確保して彼が追いついて来るのを待った
良く晴れて爽やかな風が吹き 藤の花が満開で美しいお気に入りの渓で暫く待った



オレンジ斑点の岩魚ちゃん HGさんに”ここで釣ったの!”って聞かれた  藤の花が揺れる流れで

その後 ポツリポツリとチビッ子岩魚ちゃんが遊んでくれ 次はちょっといい感じの渓魚がロッドを曲げてくれたが
ティペットの確認を怠っていたのが拙かった、そうです 切れちゃったのです・・・

交代した直ぐ上のプールには なんと何匹かの岩魚ちゃんの泳いでいる姿が見えていた
思わぬパラダイスの出現に流石に経験の浅いHG氏は心臓バクバクだったに違いない 数投目のチャレンジで遂に待望の反応を引き出したのだが
残念ながら空振りしてしまった

まだ居るから ”ガンバ!”って言ったが ”見本を”とか言われて交代
そーっと流れに近づくと 2匹の影がスーッと岩陰に隠れて行くのが見えたので やっぱり無理かな〜と思いながら別のターゲットを探すと
ターゲットは以外にもど真ん中に居て 白い砂地と殆ど同化した魚の姿を発見
見える良型への憧れと HG氏の視線に 今度は僕の心臓がバクバクになったが これが痺れるフライフィッシング
岩魚ちゃんには実績の高いヘアカディス#15をバリバスの6.5Xティペットに結び直し低い体勢でにじり寄りファーストキャスト
上手くレーンに乗ったフライが岩魚ちゃんの興味を引いたみたいで ゆっくり浮上する白い影だったが
波紋を広げる事無く また元のポジションに戻って行った

むむむ〜っと成って 2投程チャレンジしてみたがもう浮かんで来なくなったがまだ流芯に揺れている奴を 暫く観察していると
ふわっと浮かんで水面で小さく口を使った
”フライ変えま〜す” そう宣言して ボックスの中から#19のブユ風ソラックスを取り出して結び直してから流れを見たら
よし まだ居る しかもさっきより左右によく動いているみたいに見える
気合を込めて再度のファーストキャストは フライが軽くなったせいも有ってショートしてしまったが それに気づいたターゲットが向きを変えた
拙い事にショートしたフライはドラッグバリバリで奴から逃げるような動きを始め 浮上し口を使ってくれたにも関わらず ダメダメだった
終わった・・・そう思ったが 心優しい岩魚ちゃんは元の位置に戻って又もユラユラ始めたので まだチャンスは残っていると思い
フライのウイングだけにドライフライシェイクをパフパフし 願いを込めたキャストをしてみたが マズイ!力が入って狙った所にフライをプレゼン出来ない
2投目・3投目・4投目 え〜いと投げた5投目
フライを見失ってしまっていたが 岩魚ちゃんが動き浮上し始めたのでその先を注視すると そこにはフライが有って 両者の距離は徐々に近づき
遂にはターゲットの鼻先が水面にでて僕のフライを啄んだ
喰ったのか?見切られたのか? 一呼吸置いて 祈るようにロッドを立てるとグイーっとロッドが曲がって
静の時間 から 動の時間への切り替わり
美しい渓流 岩魚との出逢い フライフィッシングを趣味として過ごせる時間が煌めき 自然と笑顔がこぼれる
が 油断は禁物 瀬で育った良型の岩魚ちゃんは巻き返しや堰堤下に棲んでいる岩魚ちゃんとはちょっと違う
ギュンギュンとロッドを絞り込み ラインを1m手繰ればすぐさま1m持って行かれる事を何度か繰り返し 摩擦で中指が熱くなる
後方では HG氏が興奮気味に応援してくれる中
背中のネットを引き剥がし 右手でロッドを立てつつ 左手でネットを差しだして もう一段ロッドを後方に倒すと
”イエ〜ス!” 別嬪さんの岩魚ゲットだぜ!



透明で静かな流れに居た 色白の岩魚ちゃんは 予想以上の31cmの別嬪さんだった

よ〜し この先もきっときっといい感じに違いないぞ〜 そんな感じで進んで行く二人だったが
その先は意外と渋く さっきのパラダイスは何だったんだろうか?

最終堰堤までやって見て 僕の釣りなんかでも参考になったのだろうかとも思ったが
最後まで真面目に取り組み やって居る彼は本当に渓流が好きなんだろうな〜と思った



本日の釣果

nishide1号 アメゴちゃん2匹 岩魚ちゃん8匹くらいかな



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