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2012年8月10日(土) 晴れ後夕立  気温24〜28度 水温16度

灼熱の北海道で釣っている際 大きな声では言えなかった
”涼しい山岳渓流で無垢な岩魚ちゃんと過ごしたい”
そう思っていたので、今回涼しい木曽に早朝から向かった

朝起きて まだ北海道の片付けの終わっていない釣り道具類から必要なものを選び出し5時半に出発
高速道路は少し車は多い目だが まだ お盆渋滞は先の様だったので すいすいと目的地に到着した

第一入渓点には 軽トラが一台停まっていたので、少し上がって橋の袂にmocoを停め流れを覗きこむと
1匹の渓魚が流れ出しに定位して居たので モチベーションUP↑ がしかし直ぐに気取られたのでチョットプレッシャーが高いのだろうか?
とか言いながら変身し リーダーにティペットを継ぎ足そうと思ったら・・・5Xまでしかない・・・北海道仕様のままだった・・・
ま 無いものはしょうがない、大らかに行きましょうとフライもデッカク#12のヘアカディスで行ってみよう!

一昨日までは長野も猛暑で30度overだったのが、昨日から涼しくなった
これが”吉”と出るだろうとやって来たが、そうでもない様で やぶ蚊はいっぱい居たけど
その他に虫たちが休憩しているみたいで岩魚ちゃんの活性も上がらない、つまり1時間以上無反応だった

1m四方のプールの最下流部に溜る泡の中にフライが流れ込んで3秒後 モワッとしてフライが見えなくなったので合わせてみたら
待望のHIT! 大きくは無くても最初の1匹は嬉しい、何しろ1時間以上恋焦がれ竿を振り続けたのだから



白い岩に同化する木曽岩魚 流木のおっ立った根元でhit!

少しは活性が上がって来たようで ポツリ・ポツリと岩魚ちゃんが遊んでくれるようになったが
ジンクリアな此処の流れは渇水により更に水中の見通しが良くなっているので、教育の行き届いた渓魚は
捕食モードがしっかり入った奴以外は見えていてもフライをあっさり見切り 2投目以降は完全に無視である
アバウトな北海道仕様も 中々釣れない理由かもしれないが・・・

ま 気前の良い岩魚ちゃんだけ遊んでくれたらOKよ〜 こっちは夏の川遊びなんだからね



見えすぎの流れ でも 心優しい別嬪さんも居る

進んで行くと 真新しい足跡が出現する様になって更に難しくなって来た
この先にある 大場所まで行って見る予定だったが 断念し車止めPの脇からゴソゴソと上がって行くと
ドライフライスプレーが落ちているのを発見! しかも包装のビニールを噴射ノズルの所だけ破った貧乏くさい感じ
え? これって僕のと同じやり方? って言うか前にトラちゃんと来たときに無くした奴に間違いないみたい!



此処の流れを比喩すると 転がる石に苔生さず

車に戻ると 何はともあれプシュっと夏のお楽しみ
で お湯を沸かしながらさっき釣りあがった流れに目をやると 流れの中をユラユラし時折素早く動く岩魚ちゃんを発見
それを見ながらランチを食べ 木陰で昼寝をしようと目を閉じたが
揺れる岩魚がチラついて眠れないので 本物の岩魚に遊んでもらうべく上流に歩き出すことにした

流れを見ながら20分ほど歩き お決まりのポイントを橋の上から覗き見ると 20cm位の岩魚ちゃんが見えたので
少しだけ戻って予定通りのポイントに降りると、其処にも流芯で揺れるやる気の岩魚ちゃんが見えた
少し回り込んで一つ下のポイントを攻めた後 ポジションを取って丁寧なプレゼンテーション
此処からでは魚は見えないが、流芯を流れ下るヘアカディス#14を見ながら
50cm〜30cm〜10cm・・・あれ出ない? おっと出た!読みが的中し1発だ!
少し行ったら 今度は流れ去ろうとするフライを追っかけて ”ザバ!” ここは楽園だ〜と思えた
で 橋から見えたターゲットもこの調子でイタダキだと気軽にアプローチしたら、見に来て突っついて帰って行った・・・
流れの緩い所の魚は難しい事を再確認し、進んで行くとさっきまでの好反応が嘘の様
魚は見えてもフライにアタックしない、見切られる、ヒットしたつもりが食いが浅く敢え無くブレイク
橋を超えた辺りから誰かが既に遊んだ後の様で、砂地に足跡がクッキリ付いていました

それでも反応があるので前進します、せっかく此処まで来たら以前 隻眼岩魚を釣ったポイントまで行ってみようと頑張ります
途中ヘンテコな石を見て笑ったのが行けなかったのか
件のポイントも渇水で魚が居そうな気はしなかったのですが、投じたフライが水面に浮かんで数秒後
吸い込むようなライズリングに右手が反射的に反応しロッドが大きく撓った
”今日@”そう心の中で呟きながら 浅い流れに暴れる奴を注視しながら1歩2歩近づいて
”あ〜バレタ!”



午後の岩魚              顔っぽい大石         ”あ〜”ポイント

暫く退渓点を探しながら行くと 足跡が無くなったので こいつはラッキーと思いそのまま進んでみた
が 足跡の持ち主はこの流れを熟知しているみたいで、足跡が無くなってからは魚影も反応も薄くなってしまった
取りあえずちびっ子を1匹釣ることが出来たので 川から上がり林道を下って行くが行く当てが思い浮かばない
2度ほど流れに降りてみて 竿抜けを探したが駄目だったので、一発逆転の堰堤下に狙いを定めて本当に下る事にした

mocoに戻って 林道を下って行くとフロントガラスを微かな雨が濡らす
どうせならザ〜っと一雨来たら良いのにな〜と思いながら 更に下ってから別の流れを遡った
入渓点までもう少しと言う所で ”ピカ・・・ゴロゴロゴロ〜” っと雷鳴が鳴った
急がねばと思って車を止めたらアブにたかられチョット躊躇したが行くしかないとドアを開ける
雨脚が少し強く成って来たので ワンポイントなので濡れていくつもりだったが傘だけは差すことにして流れに降りる
更に強くなる雨に若干たじろぎながらもドライシェイクスプレーをタップリ吹き掛けたヘアカディス#14で向かって左から攻めて行く
何事も起こることなく左半分が終わり 次は本命 以前にデカい奴に成す術なくティペットを切られたポイント側

ゆっくり近づいて行くと 前回のポイントから30cm程手前に 青い背を揺らしながら定位する明らかに尺上の姿を発見
ヘアカディスを強制的に浮かせるべく タオルで水気を拭いてスプレーを吹き掛けたら 深呼吸
強い雨が幸いして ターゲットまで6m程の近距離に立って傘を差しながらロッドを振る不自然な人間が居るにも関わらず
奴は其処を動かずに何かを捕食しているに違いない
奴の水上1m弱にプレゼンしたフライは そこそこ良い所を流れたが 背青の10cm程奥を通り過ぎる
もう一回 同じ流れを通して見たが全く無視、 3投目は正面を狙ったがショートし10cm手前を通り過ぎる
4投目 今度は正面に行った、これで反応しなかったらフライを交換する気だったが
今度はゆっくりとした動きで少し浮上し静かにフライを吸い込んだ
”来た〜!”
グイとロッドを煽ると異変に気が付いた背青は一気に上流の大石の隙間目指して突進
それを止める事は叶わなかったが なんしろ今日のティペットは北海道仕様で切れることは先ずない
J‐Stream833に力を込めて強引に下流側にプレッシャーを掛けると 大石に頭を突っ込んでいた奴が堪らず方向転換し中央部へ
僕のすぐ横を通り抜けマッハの速度で逃げて行き 今度は堰堤中央深場にある大石に潜ろうとする
テンションマックス!ロッドは見たことの無い曲がりで中央からU字にひん曲がって耐えている
力比べが何十秒か続いた後ようやく背青の力が緩んだので ここぞと思って力と気合を込めて引っ張って見たら
ユルユルっとこっちに向かって来たので 奇跡の出逢いまでもう少しだなと確信しながらも気もテンションも緩めていない筈だったが
背青がもう一度向きを変え加速して来たので耐える体制を取っていたにも関わらず テンションが抜け僕は
”何で・・・”
ベショベショになったフライを手にして あんなにファイトしたのにとマサカの鉤外れに愕然とした

凄いファイトだったが、以前バラシた奴はもっとデカかった様な、色黒だった様な気がする
と言う事は もしかしたらまだ別の所に居るかも知れない!
気を取り直し ティペットの点検、フライの点検清掃ドレッシング そしてロッドのフェルール部の確認をして
さっきのポイントの手前の流れにフライを浮かべ流れに漂わせて行くと
”何と!”
一発で良型が浮上しフライを吸い込んだ(さっきあんなに騒いだのにも関わらずこんな出方をするなんて、雨のお蔭に違いない)
こいつもヒットした次の瞬間に上流の大石に突っ込もうとダッシュで走る
今度は僕も石の上から降りて流れの中入ったら 近距離でターゲットと対峙
グイっと下流側に引きずり出したら、これまた同じような動きで中央部に向かおうとするが、今度は走らせない
近距離戦を申し出てフライラインはおろかリーダーも半分ロッドに収めてある、つまり何時でもランディング出来る距離での戦いなのだ
自由度を奪ってあるのと、良型とは言え尺そこそこ位なのでさっきの奴に比べたら スピードもパワーもワンランク以上格下っぽい
数分前の反省を込めて 速攻でネットを背中から外し半ば強引とも思えるような力技でランディング
”よっしゃ〜!”
奇跡に嫌われた後でもう一回有った奇跡の岩魚ちゃんは ジャスト尺!
計測中に分 バーブレスのヘアカディスは自然に外れ 写真撮影の際少々ドキドキしたが
僕を楽しませてくれた岩魚ちゃんは 大人しくモデルまでしてくれた
言うまでもないと思うが 奇跡の岩魚ちゃんには熱いkiss後リリースさせて貰った



真ん中の転石の正面左に背青が定位していて 奇跡の岩魚は転石の右下流に居た(傘も写ってる〜)

ひとしきり写真撮影も終わったら 念の為に最奥も様子を見にフライを打ち込んでみたが
ま そんな訳は無いよね〜で 納竿
明日も休みだが このまま気分よく撤収する事にした



本日の釣果

岩魚ちゃん 9匹

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