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2011年 7月23・24日(土・日) 晴 気温27度 水温15度

20日に台風6号が行き過ぎた連休、M川近辺は結構な雨が降ったが木曽はそれほどでも無い様なので
今回も6kmを歩くつもりで やって来たら なんと工事は既に完了しゲートが無くなっていた

簡単に釣り場に入れてラッキーではあるが、既に地元の釣り人に虐められているかもしれない
期待と不安が混じった気持ちで 林道をWR−n1で上がって行くと、やはり何台かの車が有ったが
何時もの入渓点はたまたま空いていたので其処に滑り込んで早速変身

流れに立ったのは8時、ドライフライにはまだ早いかな〜と進んで行くと流れに泳ぐ影を発見
”いざ!”っとやって見たら速攻で喰ったが痛恨のバラシ・・・これがマズかったのか暫くリズムに乗れないまま進んで行く
そんな時は砂地に残る足跡が一層恨めしく見えたが、1時間を過ぎてフライをパラシュート#17と小さめに変えたら
やっとこさ〜で、待望の岩魚ちゃんを手にする事ができ ほっと胸を撫で下ろす



小場所の可愛娘ちゃん、待ってました!

ハッチはそこそこ有る、反応も徐々に増えては来たが喰いが渋く、見切られたり・空振りしたり・バラシタリ
悩みながらフライを交換しながら ボツボツと釣れてはくれるが打率は2割無いくらいだ

何時も何がしかの楽しみを与えてくれる大場所のプロローグ
左岸最終 流れが大岩の下を舐めて行く 緩くて浅い所で ソラックスダン#15で先ずは1匹
”うっしっし 調子出てきた〜”と流芯をやって見るが無反応
では本命の右岸の巻き返しがこれまた大岩に吸い込まれて行くポイントに的を変えて数投め
ちょっと油断したせいか 痛恨の空振りをしでかしてしまった
その後 結構しつこくやってみたが・・・沈黙だった

大岩によじ登ったら 何時ものように三角の穴から2m程下の水面を覗き込むと
”居る しかもデカイ!”
時折居る良形にどうやったら遊んでもらえるかを考えてみる
辺の長さ40cm程の三角の穴から 奴を釣り上げるには、今ロッドに繋がっている末端7Xでは到底無理なので
ベストの中の5Xのティペットの巻きの先端にニンフとドライフライを結んでそーっと穴の中へ
今日は風も無く結構良い感じにフライは落ちて行くので、ひょっとして釣れちゃったらどうしよう?
指先にティペットが食い込んで痛いだろうな〜 なんて妄想が膨らんだが
ニンフがポチョンと着水したと同時に違和感を感じたターゲットは脱兎のごとく何処かへ消えてしまった



定番ポイント 左岸大石の下から釣れた岩魚ちゃん     魅惑の△穴

フライセレクトに悩みながら 更に1時間が過ぎ
廻り回ってヘアカディス#17をティペットに結んでから釣りが一変した
それは時間のせいなのかもしれないが、時折見える足跡なんか関係なしで ポコポコと岩魚ちゃんが遊んでくれる
流芯に見える奴はまだまだ気難しいが、チャラ瀬、岩陰、巻き返しなんかで反応する娘はとっても気前が良い
その勢いは驚きのペースで殆ど五分おきにロッドが撓り楽しい時間は素早く流れた



岩陰から真っ黒クロスケ   瀬からはピカピカの可愛娘ちゃん

橋の下を潜ったら、一旦上がってビール&ランチ
暑すぎない初夏の日差しの中、風が気持ちよく吹いていく
一眠りしようかとも思ったが、今が渓魚のサービスタイムかもしれなかったので、そそくさと流れに向かった


大きいな駐車場直近の流れに差し掛かると流石に賢い渓魚に成っていて、何度か見切られた
が!早い流れを遠い目からアプローチしヘアカディスも上手く流れに乗ってスローに流れると
”ビシ!”っと来た
ティペットの先に見える姿は最初は色白の元な岩魚ちゃんだと思ったが、抵抗の仕方が若干素早い感じだったので”もしや?”
と 案の定今日はじめてのタナビラちゃんの御来店だ
折角の出逢いを無にしてはいけないと”ビロ〜ン”と空中遊泳で後方の溜まりに確保した
色白の彼女は岩魚ちゃんとは又違う喜びを僕に与えてくれた



木曽のタナビラちゃんに ご対面〜!

お昼のサービスタイム継続中につき お昼前の5分毎とは流石に行かなくなったが相変わらずポコポコ釣れる

ヘアカディス#17もそろそろ限界で浮かなくは成って来てはいるが
1匹の渓魚と出逢う度にお薬を使って強制浮力を持たせてははいたが、ボディのキラキラは外れヘアウイングも切れ切れになっても
良い仕事をし続けてくれたのだが
10匹以上の出逢いを演出してくれた後 いつの間にかティペットの先端から無くなってしまっていた
バックキャストの際 障害物に触れたのだろう



良い出逢い 良い流れ

最近フライタイイングをさぼっているのが ここに来てプレッシャーになる
フライボックスを開いても件のヒットフライはもう無いので ”大丈夫かな〜?”と思いながら
ワンサイズ上のヘアカディス(友人曰く君のそれはヘアウイングダンだよ)#15に交換してみる

サービスタイムのフィーバーも徐々に平静に向かっている事も有ってか
渓魚との出逢いまでは 半時間近く掛かったが、良さげな大場所の中間地点岩盤縁で1匹釣れると
その大場所の流れ込み右岸巻き返しに 1匹の揺れる影を発見、かなり良形である
ちょっとドキドキしながら逆ハンドでフライを投射するのだが
反転流が早く13m程離れたポジションからのプレゼンは、微妙に風が巻いているせいで狙ったところにフライが落とせない
それでも全く僕に気がついていない食いしん坊の岩魚ちゃんは、下手なキャストでドラッグが掛かったヘアカディスにも果敢にアタック
激しいアクションで飛沫を上げフライをひったくって行く
ロッドを立てると”ギュイ〜ン!”とロケットダッシュで深場に潜水しようとする奴のスピードに
ラインを抑える薬指は摩擦熱で熱く熱くなる、すごいパワーにハートも熱くなり
たかだか1分程の渓魚との綱引きが永遠とも思えるほどの至福の時間が流れた
今日は既に何度も行ったランディングも若干の緊張を覚え、2度ほどヒヤリとしたが、最終的には美しい岩魚ちゃんがネットに横たわった
”よっしゃ!”と心の中で小さくガッツポーズである



見える別嬪さんが遊んでくれると 嬉しさ倍増である

嬉しくて何枚も写真撮影を行ったので 10分近く経ってからフライにドレッシングを施しつつ流れに目をやると
???
先ほどポイントに同じ魚か?と思えるような影が揺れていた
当然黙ってやり過ごす訳も無く フライを打ち込むと、今度の奴はゆっくり浮上しゆっくり口を開いた
一呼吸置いて ”いただきま〜す!” と余裕綽々で合わせると
”ギュイ〜ン”と走る岩魚ちゃんを先ほどと同じようにロッドでいなして と ”プツン” と小さな衝撃が手に残っただけだった
ウインドノットが原因でティペットがきれてしまったのであった

その後も木曽の岩魚ちゃんたちはフレンドリーで楽しい午後を満喫
何故だかお昼のど真ん中辺りの活性がもっとも高かったのと?
結構セレクティブだった源流の岩魚が本日のフライフィッシングを盛り上げてくれた
15時44分に最終の岩魚ちゃんを〆に ロッドを仕舞って本日の川遊び終了



渓はまだ明るく イブニングはどんなだろう?とも思うのだが

明るいうちに温泉に入って、道の駅で軽く晩餐をしたらいつの間にか幸せな眠りについていた



明けて翌朝
天気予報は午後から雨だと言っていたのだが、昨日の結果を踏まえて あまり早い時間は反応が薄いからゆっくり行こうとは思っていたのだが
やっぱりじっとしていられず 8時に変身
今日は昨日上がった所から上流で遊ぼうと ゲートを超え歩き始めたら直ぐに釣り人2人組を発見
昨日僕が少しでも教育してあるから、多少は餌釣りの仕掛けも疑ってくれるだろうと思うのと
この上には入って居ないだろうから ”ナイスセレクト俺”って自分の読みを自我自賛

とは言っても 半時間ほど林道を歩いて入った所には昨日辺りの足跡がクッキリと残り
「ま・そんなに甘くは無いよね〜」と思いながらも 今日はここ1本に絞ってみようと進んでいく
入渓後すぐ 脇の溜まりに泳ぐチビッ子岩魚ちゃんにオチョクラレタので 何だか行けそうな気がしたのだが
その後は 沈黙・・・
本日のファーストフィッシュと出逢えたのは 1時間後の9時半
まだ時間が早いのだろうな〜と思いながら、大場所の岩盤縁を舐めるようにフライが流れるのを見ていたら
突然小さな波紋と共にフライが消えたので ”ホイ”っと合わせると
寝ぼけているのは僕の方で、ターゲットは朝一から元気に走り回りロッドを大きく絞り込んでくれた



白い岩にシンクロする白い岩魚 岩盤縁の少し窪んだ所に居ました

そうそう 今朝も数少ないフライのセレクトに悩み
今釣れたフライは ブラウンパラシュート#15だったので、そのまま進んで行く事にしたら
結構釣れるので、実は小さめのヘアカディスがお好みと言う訳でもなく地合いが岩魚ちゃんのやる気を起こす第一の要因なのだろうか
今朝は曇っているので、朝の気温低下が緩かったので昨日よりも早く岩魚ちゃんのスイッチONなのだろうか?

10時前後には 既にプライムタイム突入なのかプライムポイントに巡り逢ったのか
美しい岩魚ちゃんが 次々に飛び出し 僕の目尻は下がりっぱなし、気分上々鼻歌まで飛び出すリラックス100%の川遊び
通行止めが解除になってもまだ大丈夫な この渓の底力に深くリスペクト
素晴らしく美しいこの流れにフライを 肩の力を抜いて投じると 気のいい岩魚ちゃんが警戒せずにフライを口にする
天気も暑すぎず丁度良い感じで 本当に良い感じだ



美しく可愛い岩魚ちゃんたち

1時間のプライムタイムに 幸せ充電度100%の最中
左岸側の細い流れに目を移すと 浅い流れに浮かぶ黒い影
静止したその影には何か物憂げな雰囲気が漂っていた
フォルスキャストを2度 方向と距離を定めてシュートしたつもりだったが、距離が少し出すぎ奥の岸にフライが乗ってしまった
ラインハンドでチョンチョンとフライラインを引っ張ったら 何とか緩い流れに乗ってターゲットのほうに
余りにもゆっくり過ぎて見切られるかな〜っと見守っていたら
数十秒後にフライの存在に気づいた岩魚ちゃんが 尾びれを振ってフライに接近していく
さて、喰うのか?見切るのか?
静寂の中 ドキドキ見守る僕とは裏腹に 極々自然にフライを口にした岩魚ちゃんに逆に驚きはしたものの
ゆっくり右手を掲げると 異変に気づいた奴は急いで岩の下に逃げ込もうとするが
それより僕のダッシュのほうが早くて 岩魚ちゃんは無事僕のランディングネットに納まった
呑気そうに見えた岩魚ちゃんは 大和であった、しかも左目を無くした隻眼のヤマト
顔つきは厳ついが こんな端っこを生活圏にしてスローライフを送っているようなのんびり屋さんの登場に 今日も川に来て良かったと思ってしまう



何故だろう こんな魚に出逢えると 心が震える

のんびり川を歩く たった一人白い渓流を歩く
寂しくないんですか? 怖くないんですか? と聞く人も居るが
寂しいと感じるときも有れば幸せと感じる時もあり、怖いと感じる時は引き返す
自然の中にあって ちっぽけな僕は五感を開放し自然に近づきたいのだと思う

そんな僕を和ませてくれ 笑わせてくれる存在が渓魚
今日も沢山の遊んでくれたし、元気ももらった
地震や水害で大きく変貌する自然渓流にあって 願わくばこの愛らしい存在がこの先ずっと居てくれる事を切に願いながら
空腹を忘れ 正午を半時間を回った所で竿を仕舞った nishide1号でありました



あどけない顔をした 良形の岩魚ちゃん



2日間の釣果
沢山釣れました。(四十数匹は釣ったな・MAX28cm) タナビラ1匹 

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